理想に投票するのか、現実に投票するのか。

選挙のとき、政治家は理想を語ります。

「壱岐を元気にする」
「人口を増やす」
「観光を伸ばす」
「子どもたちの未来を守る」

どれも間違っていない。むしろ、どれも必要なことです。

そして私たちは、その言葉に希望を感じて票を投じます。

しかし一方で、政治の現場はとても現実的です。

予算には限りがあり、法律があり、行政の仕組みがあり、すぐに変えられないこともたくさんあります。

つまり、選挙で語られる理想と、実際の政治でできることの間には、どうしても距離があります。

では、有権者として私たちは何を基準に投票すればよいのでしょうか。

理想を信じて投票するのか。それとも、実際にできることまで考えて投票するのか。

おそらく答えは、そのどちらか一方ではありません。

本当は、理想と現実の両方を見ることなのだと思います。

理想だけでは、政治は動きません。しかし現実だけでは、社会は変わりません。

理想は未来の方向を示し、現実はその道を一歩ずつ進ませます。

政治とは、理想と現実の間を歩く仕事なのかもしれません。

ただ、正直に言えば、現実の選挙では理想のイメージに票が集まりやすい気がします。

実際に何ができるのか、予算はあるのか、制度として可能なのか、どれくらい時間がかかるのか。

そこまで考えて投票している人は、割合としてはそれほど多くないのかもしれません。

なぜでしょうか。

おそらく人は、「現実」よりも「希望」に惹かれるからです。

理想はシンプルで、わかりやすい。

そして未来を明るく見せてくれます。

一方で現実は、複雑で、地味で、時間がかかります。

だから選挙では、理想を語る言葉の方が人を動かしやすいのです。

しかし地方政治、特に島の政治では、理想だけではなかなか前に進みません。

人口減少、産業の縮小、医療、教育、交通、財政。

壱岐が直面している課題は、どれも簡単ではありません。

だからこそ、理想を語るだけでなく、どうやって実現するのかが重要になります。

同時に、現実だけを見ていても、島の未来はなかなか変わりません。

新しい挑戦や発想は、いつも理想から生まれるからです。

だから政治には、理想も必要で、現実も必要です。

そして民主主義とは、その両方を有権者が見ながら判断していく仕組みなのだと思います。

最後に、壱岐市民の皆さんに問いかけたいと思います。

私たちは選挙で、理想に投票しているのでしょうか。

それとも、現実に投票しているのでしょうか。

そして本当は、理想と現実の両方を見て投票できているでしょうか。

島の未来を決めるのは、政治家だけではありません。

それを選ぶ私たち一人ひとりでもあります。

民主主義とは、政治家の姿を映す鏡のようなものです。

どんな政治が生まれるのかは、結局のところ、私たち有権者の選択そのものなのかもしれません。

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