【回答掲載(その3)】壱岐市議選 立候補予定者への公開質問状

このたび、2025年壱岐市議会議員選挙に立候補を予定されている皆様に対して、「壱岐市みんなの政治」より公開質問状をお送りしました。
(下記URL参照 https://iki-politics.net/archives/1264

この質問状は、壱岐市が抱える課題について立候補予定者がどのような考えや政策を持っているのかを、市民の皆さんに「等しく」、「わかりやすく」伝えることを目的としています。

■質問内容について

今回の質問は壱岐市の重要な課題である以下の3点で構成されています。

1、人口減少と地域活性化対策について、どのような考えや具体的な施策をお持ちですか?

2、医療・福祉・交通・情報インフラの充実について、どのような考えや具体的な施策をお持ちですか?

3、一次産業や観光業の持続可能な取り組みについて、どのような考えや具体的な施策をお持ちですか?

質問状は全18名の立候補予定者に送付し、2025年7月11日現在で6名の方からご回答をいただいております。

以下に、質問内容「3、一次産業や観光業の持続可能な取り組みについて、どのような考えや具体的な施策をお持ちですか?」について、回答のあった順番にその内容を原文のまま掲載いたします。


■植村 けいじ

 農業や漁業、観光業とも担い手育成と確保が大きい課題と認識しています。私自身が農家であるため、特に農業については年々、課題が大きくなり憂慮しています。例えば畜産農家の高齢化は深刻で、農家戸数が短時間のうちに激減しています。出荷頭数が減れば、壱岐市場の維持も困難になることが予想されますので、ますます畜産業は低迷し「負のスパイラル」に陥ります。

 全国的に子牛頭数が減少傾向(農業新聞)とのことで、今後は高値回復の可能性もあります。ピンチをチャンスに転換できる方法、スマート農業化で労力軽減化できる方法を提案できればと思います。

 先進地は、市独自の農業補助金制度を作っています。壱岐でも実現できないか研究しています。また、今までは6次産業化が推進されていましたが、「推進」には、そろそろ限界を迎えているのではないかと思っています。

 これからは、農商工連携で、各種産業が連携し、新しい付加価値のある商品等を産み出すことも必要だと考えています。一事業者だけで「生産―加工―販売」をするのではなく、島全体で取り組むことがベストではないかと考えています。観光業にもいい影響を与えるものと、情報収集しているところです。


■山口 よしひで

 農業の大規模化への支援を増やすだけでなく、小規模な農家にも持続的な農業の再生を目指した支援を行っていきます。食料自給率を向上させていくための手厚い農業者への所得補償と経営支援が必要です。

 新規就農者の定着までの生活費支援、研修・教育機関の整備、農地・住宅資金、販路の確保など総合的な支援が必要です。農家と共同で有機農業の拡大を進め、有機野菜の学校給食での利用で、子どもの健康増進をはかり、農家の収入も増やしていきます。

 農家が安い料金で農業機械銀行を利用できるようにして、農家の負担を減らし利用を広げていくことが大切です。また、堆肥センターも畜産農家の収入を拡大して支援を続けていくシステムに変えていきます。堆肥の有機農業への利用拡大で耕畜連携を進めていきます。

 壱岐は、耕畜連携を進めるのに適した地域です。農作物を栽培する農業者と家畜を飼育する畜産農業者が協力し、資源循環させる取り組みを進めます。

 観光業は、島外からの観光客のニーズに合った宿泊施設に改修するための補助が必要です。快適な宿泊施設とする、田舎暮らしの希望に添う施設にするなど、壱岐の食と風土を楽しんでもらう取り組みを進めます。


■中山 忠治

農業:1、全島に広がる耕作放棄地にオリーブの植生を勧め、オリーブの島として売り込む
   2、九州で3番目規模の「壱岐オリーブ園」があり、ここを中心に搾油、オリーブ葉茶
    の生産と農業体験の場として活用する 茶葉の摘み取りは老人の仕事となる
   3.、壱岐牛ブランドの確立と生産牛農家の育成と助成 島内に屠殺場の整備

漁業:1、壱岐の特産としての「ウニ」「アワビ」等の陸上養殖を全島規模で展開
   2、陸上養殖の利点は時化の影響や漁業権による縛りがない
   3、これらの稼働により漁師の雇用拡大につながり人口減少の歯止めとなる
   4、漁業は教育旅行などの体験型へ移行する(漁師宿など)

観光、1、壱岐の未来は観光しかないと認識すべきである
   2.、観光客の来島により農業、漁業も潤う
   3、壱岐の観光のアイテムを有効に活用する事により観光立島として、
     また、福岡市の奥座敷として受入れ体制を充実させるべきで壱岐は観光によって生き延びる事が出来る。


■山本 ひろひさ

 一次産業の持続可能な取り組みとしては、まず若い担い手の確保が重要です。稼げる一次産業を目指し、圃場整備を進め、営農法人化を支援する。JAと密に連携し、農業政策を共有します。その中で担い手の不安を取り除く支援を進めます。これは漁業に関しても同じです。

 国の施策にはなりますが、有人国境離島法の更新についても一次産業者が利用しやすい制度を作るよう要望をしていくことも大切です。家族経営が多い一次産業では雇用機会拡充事業は利用しやすい制度ではなかったと思います。食料生産量を増やすことを前提とし、機械導入に充てられる補助金制度を要望していくべきではないでしょうか。

 観光業の持続可能な取り組みとしては、やはり皆さんが仰るように島民以外も運賃割引の適用対象にすることが第一だと思います。これも国に強く訴えていきます。

行政としてできることは、壱岐の魅力をしっかりと発信すること、体験型観光を強化し滞在時間を長くしてもらうことで消費行動を促すことに力を入れます。魅力ある街づくり宿づくりも進めます。


■清水 おさむ

 持続可能な一次産業とするためには、限られた補助金施策だけでは、厳しくなるばかりです。農地の集約化ができる道筋をつくって、例えば、若者が「ここで働きたい」と思えるような、利益の出る新しい農業モデル(例:大規模農業会社の設立)が必要だと考えます。

 持続可能な観光事業は、今取り組んでいる観光事業を継続しながら、年間を通して情報発信できる場所づくりを行政と地域が一緒になって取り組むことが大事だと考えます。そのためにも、私は地元の小牧崎を大切に思って除草作業を続けています。


■菊池 弘太

 一次産業と観光業はセットだと考えている。壱岐が見習うべきは、岐阜県の高山市である。

 高山市は、昭和61年に国際観光都市宣言を出し、観光客の誘致に取り組んできた。高山市は、観光の情報発信はもちろん、Wi-Fi環境、多言語対応、バリアフリー化を実施し、昔ながらの古い町並みを残しつつ、環境整備を実施してきた。

 これらの取組が功を奏し、令和5年には、400万人が訪れ、観光消費額は、1,000億円を超えている。宿泊費や飲食費が占める割合が大きく、宿泊施設や飲食店はもちろん、食材を提供する農家や漁師の手取りに寄与する。

 高山には、飛騨牛というブランド牛があり、壱岐でもマネできる部分は多い。観光を盛り上げ、来島者数が増えれば、島の農畜産物や海産物の消費が増え、農業も漁業も観光業も持続可能で儲かる産業にしていきたいと考えている。

 また、一次産業においては、若い担い手を確保するため、資金等の面でインセンティブを出し、がんばる人を応援する仕組みをつくりたいと考えている。


(敬称略)

ご多忙の中、ご回答いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。

また、本取り組みにご関心を寄せてくださった市民の皆さまにも、深く感謝申し上げます。

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